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Programming Notes with Unity

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実例から見るアンチパターン ②こんなマネージャクラスの居るプロジェクトは危ない – Part 3 –

技術的側面から開発を考えられない

これもディレクターやプランナーに多いのだが、何かモノを作る時に

・それをどうやって実現するのか?
・何が必要で、どういうアプローチで作るのか?
・その内容が他の実装に与える影響は?

といった技術的な側面を全く考慮せずに、企画やアイディアだけを出してくる人間はヤバい。

こういうのはいわゆる「アイディアマン」だが、こんな人間にプロジェクトの舵を握られるとほぼ確実に炎上する。
何故なら、実際に掛かる工数が全く考慮されていないのに等しいからである。

アイディアだけならアホでも出せる。
仮にも金を貰って仕事をしているプロであるなら、それを実現する為の技術的な側面も考えられてこそプロである。

中でも重要なのは、とある機能を実装する場合にそれが他の実装に与える影響を考えられる能力だ。
場合によってはシステムから覆さなければいけない事もあるし、深刻な状態になるケースが発生する事もある。

それらを上手く考えながらゲームシステムを企画し構築していく。
ディレクターやプランナーにはそれが求められているのだが、最近ここが非常に弱いように思う。
(実は昔からずっと弱いしそれをプログラマが補って育てていくケースが多かったが、
ソシャゲの台頭でクソみたいな人材が増えてまた再燃しているように思う。)

企画サイドの人間はアーティストやプログラマではないが、実質的にこの2者を自身の道具としてモノを作るわけなので、
その道具に対しての知識や理解をしていくのは当然と言える。

実現する為にアーティスト側でどういった素材が必要なのか?
実現する為にプログラマ側でどういったアプローチで実装するのか?
そもそも現状のプロジェクトメンバーで実現出来るのか?出来るとしてもその難度は?工数は?

こういった技術的な側面からモノづくりを考えられない人間は上に立ってはいけない。
もっと厳しい事を言うとクリエイターになるべきではない。

技術的な話になると深い話が出来ない、又はしようとしない

これも前述の内容に当てはまる人間の事なのだが、実際現場で一緒に仕事するとこういう反応を示すという例。

「これを実装するとこの時にこういうケースが出ますがどうしますか?」
「これを実装するのにこの機能が必要なんですがまだないです。作るのに時間も掛かります。どうしますか?」

と聞いても、反応があやふやだったりすると作る側はたちまち混乱、次第に炎上していく。

一見綺麗に出来上がっている企画書も、とあるプログラマやアーティストから見ると仕様の穴だらけという事も多々ある。
そこを追求した時にまともな反応が返ってこなかったり、現場任せにして放り投げるような人間は確実に炎上の種だ。

また、これは私の経験上だが「テクニカルアーティストなんか要らない」とか言う人間は確実に地雷だ。
ゲーム開発を知らなさすぎる発言で、お里が知れてしまう愚かな発言である。

テクニカルディレクター、テクニカルアーティスト、リードエンジニアといった人間が要らない、
等と発言しているバカはクリエイターになるべきではないし、上に立つ事は断じてあってはならない。

モノづくりにおいては、それが高度になっていくほど技術力というものが中身を左右していく。
その過程でテクニカルに特化した役職が出来ていくのは、組織においては非常に重要だ。
各部門で技術的な専任者がいる事で、プロジェクトにまとまりを与えたり、正しい方向に導きやすくなる。

海外のゲームではスタッフクレジットにこういう役職が記載されている事が多いが、
細かく分業される事で各々が最大限に集中し、作られるモノの精度を高められる環境を用意しようという意図が見られる。
大事なのはそういう「心構え」だ。

日本の開発だと割と「(1人で)やれるものは何でもやる」思考が強いように思うが、
この考えだと作るモノのレベルが一定以上になった時に確実に破綻し崩壊する。
そもそもの心構えがダメで、非常にブラックな思考だ。

クリエイティブの世界は大体何でもそうだと思うが、1人で全てやれるほど浅くも無いし狭くもない。
それを知らないからこそ出てしまう発言には大いに注意しないといけない。

そんな人間と仕事していても行き着く先には何も残らない上に、
周りと肩を並べることすらも出来ず、ただ時代に置いていかれるだけとなるだろう。

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